MRI班

3次元螺旋段差構造への選択的堆積による低抵抗かつ低寄生容量なMRI用マイクロコイル

ABSTRACT
  高いSNR (Signal to Noise Ratio) のMRI画像計測を行うためには,MRI信号受信コイルの巻き数の増加と抵抗値の低減が重要です.しかし,コイルの長さを変えずに巻き数を増加させると,導線間隔が狭くなり寄生容量が増加し,また,線幅が細くなることで抵抗値が増加するため,寄生容量と巻き数・抵抗値はトレードオフの関係にあります.そこで3次元的な螺旋段差構造に,真空蒸着を行うことで配線した双円錐型構造のマイクロコイルを試作しました.これにより,寄生容量の低減かつ巻き数の増加,および抵抗値の低減を可能にしました.また,試作コイルを用いたMRI画像計測実験ではSNRが128となり,高感度MRI用マイクロコイルとしての有効性を示しました.

キャパシタ分割を用いた高感度なMRI用マイクロコイル

ABSTRACT
  高いSNR(Signal to Noise Ratio:信号対雑音比)のMRI画像計測を行うためには,コイルの巻き数を増加させる必要があります.しかし,コイルの巻き数を増加させると自己共振周波数が低下してしまいます.そこで,キャパシタでコイルを分割した,自己共振周波数が高いMRI用マイクロコイルを提案しました.キャパシタ分割コイルは,3次元冶具と平面コイル配線を組み合わせ,キャパシタを挿入することで試作しました.試作したコイルの自己共振周波数は179 MHzとなり,従来より約15%向上することができました.また,計測されたMRI画像のSNRは64であり,高感度なMRI画像計測が可能なMRI用マイクロコイルを実現しました.

ねじ型中空二重構造を用いた低寄生容量なMRI用マイクロコイル

ABSTRACT
  高解像度なMRI画像の計測の方法のひとつとして,MRI用信号受信コイルの巻き数を増加させる方法が挙げられます.しかし,コイルの長さを変えずに巻き数を増加させると,寄生容量の増加,自己共振周波数の減少により,MRI画像の取得が困難になります.そこで,これまで研究を進めてきたねじ型二重構造を持つMRI用マイクロコイルを改良し,内部を中空構造とするマイクロコイルを試作しました.内部を中空構造とすることで寄生容量を低減することができます.試作したコイルによる特性計測実験を行った結果,寄生容量は1.24 pFとなり,従来より約7.5 %低減させることができました.

ばね形状への真空蒸着による低抵抗なMRI用マイクロコイル

ABSTRACT
  MRI 画像計測におけるSNR(Signal to Noise Ratio:信号対雑音比)向上のためにはMRI受信用コイルの巻き数の増加,抵抗値の低減が求められています.そこで,ばね形状への真空蒸着により,巻き数を増加させても,抵抗値が増加しにくいMRI用マイクコイルを試作しました.ばね形状であるため,真空蒸着後にコイルを縮めることが可能であり,単位長さ辺りの巻き数が多く,低抵抗なコイルを実現することができました.試作したばね形状コイルによりMRI画像計測実験を行ったところ,試作コイルのSNRは65となり,MRI用マイクロコイルとしての有効性を示せました.

低ノイズなMRI画像計測のための二重巻きマイクロコイル

ABSTRACT
  高い空間分解能を持つMRI画像を取得するためには,MRI信号受信デバイスであるコイルの感度を向上させることが重要となります.感度を向上させるにはコイルの小型化および巻き数を増加させる方法が有効です.しかし,小型化と巻き数の増加を同時に行うと,導線の断面積が減少し抵抗値が増加してしまいます.抵抗値の増加はSNR (Signal to Noise Ratio)の低下を招き,鮮明な画像計測が困難となります.そこで,3次元冶具を用いた二重巻き構造により,巻き数の増加と抵抗値の低減を両立したマイクロコイルを試作しました.二重巻きコイル構造とすることで導線の断面積を約2倍に増加でき,約50 %低い抵抗値のコイルを実現しました.

3次元冶具を用いたMRI画像計測のための折り畳みマイクロコイル

ABSTRACT
  MRI信号計測用コイルでは,寄生容量が大きいと自己共振周波数が低下し,MRI画像計測が困難になってしまいます.寄生容量が導線間隔に反比例する点に着目し,コイルの直径が互い違いの大きさとなるように配置した折り畳みマイクロコイルを試作しました.試作したコイルの寄生容量は0.793 pF,自己共振周波数は269 MHzとなりました.また,試作コイルにより計測したMRI画像のSNRは12.9となり,MRI用マイクロコイルとしての有効性を確認しました.

高感度かつ低ノイズなMRI画像計測のためのねじ形状への真空蒸着によるマイクロコイル

ABSTRACT
  MRI受信用コイルは巻き数を増やすと抵抗値が増加してしまい,高解像度な画像の取得が困難でした.そこで,ねじ形状への真空蒸着によるマイクロコイルにより,巻き数増加に伴う抵抗値増加を低減すること,また高感度かつ低ノイズなMRI画像計測を目的としました.3Dプリンタによって出力したねじ形状物に,真空蒸着を用いて配線をつくることでMRI受信用マイクロコイルを試作しました.試作コイルと手巻きコイルの抵抗値を比較したところ,手巻きコイルでは巻き数の増加により抵抗値が増加したのに対し,試作コイルではほぼ一定となりました.また試作コイルを用いて,MRI画像計測実験を行った結果,取得したMRI画像のSNR(信号対雑音比)は38.7となり,手巻きコイルの5.1倍となりました.

巻数増加と抵抗値低減を両立可能なMRI用マイクロコイル

ABSTRACT
  高分解能なMRI画像を取得するためには,信号受信用のコイルの巻き数の増加,抵抗値の低減などがあげられます.しかし手巻きコイルの場合,巻き数を増加させた際,線幅が減少してしまい,コイルの抵抗値が増加します.そのため,分解能の向上が困難となってしまいます.そこで,複数の円板状のコイルを並べたMRI用マイクロコイルを試作しました.これにより,巻き数増加による抵抗値の増加がなくなります.手巻きコイルと抵抗値を比較した結果,巻き数8における抵抗値は,試作コイルの方が1.7%低い値となり,巻き数を増加させても低抵抗なコイルを実現しました.また,試作コイルを用いてMRI画像計測を行った結果,鮮明な画像を取得することが出来ました.

MRI画像計測のための感度切替式マイクロ鞍型コイル

ABSTRACT
  医療用MRIを用いることで人体の断面を非侵襲的に撮像することは可能ですがMRIには空間分解能が低いという問題点があります.そのため,管腔組織の壁面に発生した腫瘍や癌細胞の画像化は困難です.そこで,コイル形状を変形させることで高感度かつ広範囲な撮像を可能にした感度切替式マイクロ鞍型コイルを試作しました.コイルが平面型形状では感度が高くなり,鞍型形状では広範囲MRI画像計測が行えます.画素サイズ2.0×2.0×2.0 mm3において,平面型形状と鞍型形状で感度,及び撮像範囲の比較実験を行いました.感度の比較実験において平面型形状のSNRは鞍型形状に比べて259%増加し,撮像範囲の比較実験において鞍型形状は平面型形状の約4.3倍の可視領域面積を確認しました.

小型高分解能MRI装置のための平面型勾配磁場マイクロコイル

ABSTRACT
  MRI装置で微小試料を撮像する際,分解能を向上させるためにMRI装置内に設置される勾配磁場コイルの勾配磁場強度を増加させる方法があります.そのためにはコイル間距離を近づけることや巻き数の増加といった手法が挙げられます.しかし小型化が困難かつ,巻き数増加によって抵抗値が上がってしまうため,画像計測に影響が出てしまいます.そこで3Dプリンタで試作した冶具とMEMS技術により試作したマイクロコイルを生み合わせて,小型かつ高精度な平面型勾配磁場マイクロコイルを試作しました.これにより,コイル間距離を近く,低抵抗なコイルとなります.勾配磁場強度を計測した結果,従来の手巻きコイルに比べ,4.2~18倍の値を取得できたため,MRI画像計測のさらなる分解能向上に期待出来る結果となりました。

双円錐型構造により寄生容量を低減したMRI用マイクロコイル

ABSTRACT
  より解像度が高いMRI画像を得るためには,MRI信号受信コイルの感度を増加させ,撮像対象の信号を効率よく受け取る必要があります.その方法として,コイルの小型化,または巻き数を増加させることが挙げられますが,小型化と巻き数増加を同時に行うと,寄生容量が増加し,受信コイルとしての使用が困難になるという問題があります.そこで,巻き数を増やしても寄生容量が増加しにくい構造のMRI用マイクロコイルを試作しました.2対の平面コイルを押し出して重ね合わせることで形成する『双円錐型構造』を用いることで,導線間の線間隔を広げることができ,寄生容量を低減できます.試作した双円錐型コイルと,従来型のソレノイドコイルを用いて比較実験を行いました.導線部の線間隔は約15%増加し,寄生容量は約10%低減できました.またMRI画像を取得でき,MRI用マイクロコイルとしての有用性を示せました.

圧力伝達を用いた液体封入型MRI用力センサ

ABSTRACT
 近年,MRI(Magnetic Resonance Imaging:核磁気共鳴画像法)装置を手術室内で用いるMRI手術が行われています.MRI手術では患者の生体情報の取得や手術支援を行うという要望があるため,MRI手術で使用できる高感度な力センサが求められています.従来研究では,MRI手術に適合した光ファイバセンサを利用した力センサが実現していますが,MRI装置内での感度が低く,必要な力計測ができていませんでした.そこで,本研究ではMRI手術で高感度な力計測を行うために,圧力伝達を利用した液体封入型MRI用力センサの実現を目的としました.試作したMRI用力センサは接触部と検出部の高さが等しい場合,感度は0.182 V/Nでした.よって,試作したMRI用力センサはMRI手術で高感度な力計測を実現できます.


高分解能MRI画像計測のための折り畳み式多層マイクロコイル

ABSTRACT 
 MRI画像計測において,計測対象の内部構造をより詳細に分析するためには,高分解能な画像計測が求められています.分解能を高めるには,SNR (Signal to Noise ratio; 信号対雑音比)を向上させる必要があります.そのためには,コイルの寄生容量を低減させ,抵抗値を下げなければなりません.そこで,コイルの導線間の線間隔を一定に保つための位置決め機構を取り入れた折り畳み式多層マイクロコイルを試作しました.試作したコイルの寄生容量は0.293pFとなり,位置決め機構が設けられていない比較用コイルと比較して,コイルの寄生容量は4.25%まで減少させることができました.


小型MRIのための高勾配磁場マイクロコイル

ABSTRACT
  小型MRI装置を用いた植物や小動物などのMRI計測時間は今なお長い状況です.計測時間を短縮させるには勾配磁場コイルの勾配磁場強度を増加させる必要があります.そのためには,巻き数を増やす方法,撮像対象との距離を縮める (コイル径を小さくする) 方法がありますが,小さくなるにつれ手巻きでは理想的なコイルの巻き位置との誤差が大きくなってしまいます.そこで,直径12mm,14mm,16mmの勾配磁場コイルのX軸,Y軸コイルをフレキシブル基板で試作しました.従来作られていた直径18mmの手巻き勾配磁場コイルに比べ,最大2.7倍の勾配磁場強度を得ることができ,MRI撮像画像のゆがみを最大8%まで抑えることができました.


ヒンジ構造と選択的組立機構を用いたマイクロソレノイドコイルの研究

ABSTRACT
  均一な感度をもつMRI信号受信用マイクロコイルの実現を目的として,より円形に近い断面をもつマイクロソレノイドコイルを試作しました.コイルパターンを持つフレキシブル基板を外曲げ部,内曲げ部と交互に曲げることで,円形断面のソレノイドコイルを形成しました.シリコーンゴムで内曲げ部中央のみを固定し,内曲げ部だけを選択的に折り曲げながら組み立てることを実現しました.内曲げ部の両端にはヒンジ構造を配置し,円弧形状に近い形状となるように工夫しました.試作コイルの断面半径を計測した結果,標準偏差は半径に対して1.1~3.1 %程度と十分に小さいことから,円形に近い断面に変形していることを確認しました.また,計測した平均半径の設計値に対する誤差は0.3 %程度でした.

円錐型立体マイクロコイルによるMRI画像計測

ABSTRACT
 平面型コイルはコイルに近接した領域のみ感度が高いため,計測対象の深部画像を取得することが困難でした.そのため,内部にも感度領域を持つ立体構造の円錐型マイクロコイルを作成することで,計測対象の深部画像の取得を目的としました.フレキシブル基板を加工し,平面型コイルの円周上にピッチ保持具を設けて展開可能とすることで,高さ8mmの円錐型マイクロコイルを試作しました.円錐型コイルと展開前の平面型コイルを用いてオクラの断面撮像をしました.平面型コイルと比較すると,円錐型コイルの感度領域深さは正面で約1.1倍,内部を含めると約1.5倍の深さ範囲の画像を計測可能になり,計測対象のより深部の画像を取得することができました.


スルーホール接続による二重構造をもったマイクロソレノイドコイル

ABSTRACT 
 高分解能なMRI画像を得るためには,MRI信号を受信するデバイスのコイル部の巻き数を増やす必要があります.しかし,コイルの巻き数を増やすと抵抗値が増大し,MRI画像にノイズが生じてしまいます.そこで,本研究では2重構造をもったマイクロソレノイドコイルを試作しました.フレキシブル基板を丸め,スルーホールで上下の配線を接続することで,2重構造を持った立体形状のコイルを容易に形成できるようにしました.電気的特性を計測し,巻き数を増やしても抵抗値が大きくなり難いマイクロソレノイドコイルを実現しました.